芳樟について
芳樟(ほうしょう)
Cinnamomum camphora (L) Presl var nominale Hayata subvar hosho Hatushima
または Cinnamomum camphora subsp. formosana var. occidentalis. subvar. linaloola
クスノキ科の高木でクスノキの亜変種。天然分布は台湾の北部・中部及び東部がもっとも多く、他に中国南部にもいくらか生育しています。
日本に生育している樟は「樟脳」が採れますが、芳樟は樟脳がほとんど含まれず、主成分はリナロールです。戦後、曽田香料が台湾から種子を持ち帰り、鹿児島・開聞町で増産を開始、最盛期には年間3トンの精油を抽出しました。日本に自生するものは、すべて樟脳を含むクスノキです。
Hosho
【Cinnamomum camphora subsp. formosana var. occidentalis subvar. linaloola】
"Hosho" is a type of a Camphor tree. The leaves contain about 85% linalool (a popular essential oil) . After World War Ⅱ, people in Kagoshima started to cultivate "Hosho" so they could extract its natural oils. The peak extraction period was around 1960, during this time approximately 5 tons of Hosho essential oil was extracted per year. The oil of the Hosho tree was used both within Japan and elsewhere.
明治時代、台湾では樟脳の採れない芳樟は「臭樟(しゅうしょう)」と呼ばれ敬遠されていました。
しかし明治の末期、この木から「リナロール」が採れることがわかり「芳樟」に改称され、天然香料の供給源として盛んに栽培されるようになりました。当時リナロールは高級化粧品にはなくてはならない香料でした。
(学名に関してはいくつかあり、現在でも一定していない)
芳樟(葉)精油の成分
テルペン系炭化水素 dリモネン 0.5% テルペン系アルコール リナロール 85.5% エーテル サフロール 0.1% オキシド 1,8シネオール 0.5% ケトン カンファー 0.9% 比重 0.878 屈折率 1.4622 施光度 -14.7
その他のハーブ
当園では芳樟以外にも数種類のハーブより天然香料を抽出しています。
≪レモン・ユーカリ≫
Eucalyptus citriodora
オーストラリア原産、フトモモ科。
葉を水蒸気蒸留して抽出。主成分はシトロネラールで、昔から防虫や虫除けに使われてきました。筋肉痛にもよいと言われています。
葉を乾燥させてポプリにも使うことができます。
≪レモングラス≫
Cymbopogon citratus
熱帯アジア原産、イネ科。
葉を水蒸気蒸留して抽出。主成分はシトラールで爽やかなレモン様の香りが特徴。
生葉はハーブティーや料理にも利用します。
ハーブティーは消化不良に良いと言われています。また、タイ料理のトム・ヤム・クンに使うことで知られています。
≪ローズマリー≫
Rosmarinus officinalis
地中海沿岸原産、シソ科。
葉を水蒸気蒸留して抽出。主成分は1,8シネオールで風邪の予防によいと言われています。
また、集中力・記憶力を高める効果もあると言われています。
生葉は肉料理の臭み消しに使います。クッキーなどの焼き菓子にも利用でき、とても香ばしく焼きあがります。当園で販売しているハーブクッキーにも使用しています。
≪ティーツリー≫
Melaleuca alternifolia
オーストラリア原産、フトモモ科。
枝葉を水蒸気蒸留して抽出。先住民のアボリジニは薬として使用していたそうです。5月下旬頃に白いブラシのような花をつけます。スッキリとした爽やかな香りです。
*当園のティーツリーは1,8シネオールが多く含まれております。
≪ローズ・ゼラニューム≫
Pelargonium graveolens
南アフリカ原産、フウロソウ科。
葉を水蒸気蒸留して抽出。主成分はゲラニオール、シトロネロールで不安を取りのぞく効果があると言われています。
ゼラニュームは数多くの品種がありますが、最も香りがよいと言われているのは「ブルボン種」です。
※ 時期により抽出していなものもあります。ご購入の際は事前にお問合せ下さい。